サステナビリティ Sustainability

住まいも 長生きする国へ

大京の「生物多様性保全」の取り組み

私たちの住む地球には、人間だけでなく、動物、植物、昆虫、もっと小さな生き物たちなど、多様な生きものが存在しています。そして、それぞれの生きものは、独自の生態系だけではなく、他種の生きものともつながり、支え合いながら生きています。「生物多様性」とは、そのような地球上に住む多種多様な生きものたちの関わり合いのことを指します。この「生物多様性」の恵みの中で、私たち人間の生活も支えられています。

マンションデベロッパーとしての「生物多様性保全」への責任

私たち人類の活動の影響によって生きものたちの絶滅のスピードは自然の速度よりかなり早くなっていると言われています。不動産の開発において、この生物多様性に及ぼす影響は決して小さいものではありません。
だからこそ私たちは「生物多様性」の恵みを重要視し、周辺環境、景観、生き物との調和や継続性を考慮した計画とすることで、「住まい」を未来への資産としていきたいと考えています。

生物多様性保全への取り組み「エコロジカルネットワークPASS」

大京では「ライオンズマンション」や再開発事業の初期計画において、敷地内に在来種を意識した植栽を行うとともに、周辺の緑地や街の緑をつなぐ植物や生物の中継地としての役割を果たすことにより、地域の自然を保全し、次世代につなげていく取り組みを始めています。そしてこの度、この取り組みを「エコロジカルネットワークPASS」として体系化し、生物多様性保全活動における体制を構築いたしました。
「つなぐ」「はぐくむ」「ささえる」を核とした「エコロジカルネットワークPASS」の推進により、住まう人の豊かな心の育みや、自然・地域との共生の実現を目指していきます。

【つなぐ】1.環境調査に基づいた植栽計画を行います:建築計画時にエリアの地理的条件・自然環境や植生を確認し、計画地の緑地資源・水系資源のポテンシャル評価を行います。その評価を基に緑地の配置・樹種の選定などを行います。2.そのエリアに相応しい在来種を中心とした植栽計画の実施:植栽計画はそのエリアに受け継がれてきた植生や日本の在来種を主に採用し、周辺環境、景観、生き物との調和が図られるように配慮した計画を行います。※北海道・沖縄では、地域特有の気候に対応する植栽計画を別途考慮します。
【はぐくむ】1.剪定・刈込作業の省力化につながる植栽を採用:頻繁な剪定や刈込作業を行うことは植栽維持管理コストがかかる上に、発生材の撤去によって植物の成長や土壌生物の分解に必要な物質が減少してしまいます。比較的剪定や刈込作業が少ない樹種を採用する事で、土壌と植物による自然の循環システムに配慮します。2.薬剤散布頻度を少なくする植栽を採用:植栽帯に頻繁に薬剤を散布することは、病害虫だけでなく有益な虫や分解に役立つ土中の生き物にまで影響を与えることになります。自然のバランスを維持するためにも病気や害虫の発生が少ない樹種を選定し、薬剤散布の頻度が少なくて済む植栽計画を行います。3.灌木・地被などの高密度植栽を採用:豪雨等による土の流出や雑草の発生を抑制するため、植栽帯の地表面は灌木・地被類などの植栽やウッドチップ材などにより土表面の露出を減らし、循環する環境をつくり、植栽維持管理コストの低減を図ります。
【ささえる】1.地域の生物多様性保全に影響する植物を使用しない:エリアの自然に適わない植栽計画や悪影響を及ぼす侵略的外来種の採用を抑制し、生物多様性保全に貢献する環境をつくり、地域の生き物が暮らす場を提供します。2.生物多様性貢献面積の基準を設定:多様な生物が生息・生育する環境をつくるために、生物多様性貢献面積※を10%以上確保することを目標にします。※生物多様性貢献面積とは①敷地内の緑地(樹林地、草地、芝地、花壇、菜園等)②屋上、壁面の緑地③水面(生物が利用できるもの)④その他の土地(岩、砂利、砂地、砂浜、磯浜、土が露出した裸地などの非舗装面)を指します。

第三者評価

大京では一般社団法人いきもの共生事業推進協議会(ABINC)のいきもの共生事業所®認証(ABINC認証)[集合住宅版]の取得にも努めています。この認証制度は自然と人との共生を企業活動において促進することを目的に作られたものです。
2015年に集合住宅として初めて「ライオンズ港北ニュータウンローレルコート」が、2018年には「ライオンズ鶴瀬グランフォート」、「ライオンズ守山マークヒルズ」が同認証を取得しています。
「ライオンズ港北ニュータウンローレルコート」においては、地域に根差した持続可能な取り組みが評価され、2016年には、グッドデザイン賞を、2019年には集合住宅初となる「サステナブル住宅賞(主催:IBEC)」を受賞しています。

未来資産づくりへ

私たちは、生物多様性保全への取り組みを全国のライオンズマンション(一部地域・コンパクト物件を除く)や再開発事業にて導入し、今後は主要な不動産開発事業への多角的な展開へとつなげていきます。循環型社会に向けて、生物と共存し、地球にやさしいモノづくりに取り組むとともに、住むほどに愛着のもてる住まいとすることで、未来資産づくりの輪を広げることを目指してまいります。

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