より使いやすく、より営業しやすい、新システムを目指して
私は入社以降、主に大京の子会社向けの仲介システムの刷新プロジェクトを担当しています。このプロジェクトが目指す大きなゴールは、営業機会の創出と売上拡大の実現です。現行の仲介システムに導入したパッケージの保守サポート終了が間近に迫るなか、これを機に現行システムが抱える課題を解決することを目指して、刷新プロジェクトがスタートしました。
現行の仲介システムには、「営業支援機能が弱い」「画面が小さい」「外部連携が弱い」「スマートフォン対応ができない」などの課題がありました。新たな仲介システム構築のミッションに向け、6名のエンジニアによるプロジェクトチームが編成され、私は開発ベンダーへのRFP(提案依頼書)の作成から参画しています。RFPの完成後には、新たな外部ベンダーの選定にも携わりました。合計4社から提案を受け、コストや納期、品質、開発体制などを総合的に評価し、プロジェクトメンバーと評価を突き合せ、ベンダー先を選定しました。現在は要件定義フェーズで、2028年3月のリリースを目指し、プロジェクトを進めています。
培ったエンジニアとしての経験が、要件定義に挑戦する糧になった
大京での仕事のやりがいは大きく二つあります。一つは刷新プロジェクトの規模は“数十億円”と、前職でも経験のない大きな規模のプロジェクトに携われていることです。今後の事業拡大に直結する業務であり、モチベーション高く働けています。もう一つは、ずっと取り組みたかった要件定義工程において、大きな裁量を与えられていることです。前職での担当工程は、設計・構築、保守のみ。面接の際にもオファーはありましたが、実際に入社後すぐに大規模案件の上流工程を一任してくれた際の喜びは、いまでも鮮明に覚えています。
前職ではRFPを受け取り、開発を進める立場だったこともあり、要件の作成に携わるのは新鮮な気持ちでした。「プロジェクトの背景をしっかり盛り込んだ方が、依頼内容がエンジニアにしっかり伝わるはず」など、前職の経験を業務に生かすことができています。要件定義の後には、開発工程が控えています。機能性・視認性はもちろん、リリース後の運用・保守性も考慮したシステムとなるよう、要件定義を推進する日々は、非常に充実しています。
SaaS開発などの新たな知見を吸収し、事業拡大に貢献する
システム仕様の把握は、プロジェクトを進める上で難しさを感じたことの一つです。「物件情報をどのように抽出し、バッチ処理を行っているのか」など、これまで馴染みのない仲介システムの仕様を把握するのに、当初は時間を要しました。ただ、不明な点があれば、外部ベンダーやチームメンバーに気軽に確認できるので、安心してプロジェクトを推進できています。
また、長年スクラッチ開発に携わってきたため、SalesforceやInformatica、各種MAツールについての知見を新たに吸収することができています。未経験の業務領域に難しさは感じていますが、SaaS開発に特化したスキルを伸ばす絶好のチャンスだととらえています。大変さよりも、新しいことを学ぶ楽しさの方が勝っていて、エンジニアとして歩き出した25年前の自分に戻った感覚ですね。
将来的にはマネジメントよりも、エンジニアとして技術を追求し続けるキャリアを志向しています。セキュリティやクラウドサービスに関するスキルを高め、今後も事業拡大やお客さま満足度の向上に貢献する新しいシステムを実現していきたいと考えています。
「何のため」の開発か。高次の視点がシステムの未来を決定づける
リリース以降は、私含め、現在のプロジェクトメンバーがシステムの運用・保守を担う立場になります。後の運用・保守を見据えた要件定義をはじめ、将来的なシステム更改を見越した、新たな仕様書の管理方針なども整備していきたいと考えています。前職で長年経験した官公庁向けシステム開発では、情報の取り扱いを厳密に行っていたため、培った知見を大いに発揮できると考えています。技術者として開発・運用・保守に携わった経験を、大京の企業価値向上につなげていきたいと思います。
前職ではエンドユーザーの声を聞く機会があまりありませんでしたが、大京の情報システム部ではそれをダイレクトに受け取れます。ユーザーとなる営業部門の声が直接届くことは、事業会社の情報システム部門ならではの魅力です。現行システムの保守などで、パフォーマンスの改善にすばやく応えると感謝の声をいただけるため、以前にも増して「誰のための仕事なのか」を実感しながら、前向きに業務に取り組むことができています。