スマートグラスをご存知ですか?
メガネのようにかけて使える小さなコンピューター端末のひとつです。
スマートグラスは小型カメラと目の網膜に投射するディスプレイにより、実際の景色に重ね合わせてコンピューター上の情報を表示することができます。
オリックス・ファシリティーズでは、2017年6月から作業現場でスマートグラスの使用を開始し、オペレーターがビル管理現場や工事現場にいる作業員に、離れた場所からリアルタイムに指示を出しています。その結果、建物の診断、評価をおこなうインスペクション業務や若手作業員の教育において大きな成果をあげています。
わたしたちが、スマートグラスの導入を決めた背景や取り組み、その想いについてご紹介します。
人手不足と技術の継承がビル管理業界の全体の課題
2011年に発生した東日本大震災以降の復興事業や東京五輪関連の建設需要など、現在の建設業界では人手不足が慢性化しており、その影響はビル管理業界にも波及しています。また、これから見込まれる人口減少を考慮すると、熟練作業員の技術やノウハウを誰にどのように伝えるのかが業界全体の課題となってきています。
スマートグラスの導入でサービスの品質向上を目指す
スマートグラスを使うと、離れた場所にいるオペレーターと現場にいる作業員が、リアルタイムで映像を共有できます。オペレーターが作業現場の映像を見ながら映像に赤ペンで印をつけたり、「ここを確認して」、「この数値は?」など分かりやすく的確な指示を送ったりすることができるのです。
※オペレーター利用シーン
※現場の作業員の利用シーン
ビル管理メンテナンス事業において欠かすことのできない業務のひとつであるインスペクション業務(建物の診断、評価)においては、実際の距離が離れていてもスマートグラスを通じて現場の状況を共有できるため、経験があまり多くない作業員でも品質の高い業務を行うことができます。
スマートグラスを継続的に利用していくことで、ベテラン社員から若手社員へのノウハウ継承が効率化され、研修期間が短くなるなどの効果が期待されます。導入によるメリットは業務効率化にとどまらず、生産性向上やサービスの品質向上などにまで及びます。その結果、顧客満足度のアップにつながると考えています。
新しい社会のあり方にICT活用で応えていく
私たちが提唱する「住まいも長生きする国へ」を実現するためには、建物を計画的かつ適切に維持管理していくことは、とても重要です。
これまでのサービス品質に満足せず、より高みを目指していく。そのためには今回導入したスマートグラスのように積極的にICTを活用することが欠かせません。そして、このような取り組みを積極的に推進し、社会問題の解決に取り組んでいくことは、わたしたちの社会的責任であると考えています。